2021大学入試における英語外部試験利用の解説。「CEFR」とは?

 まず、CEFRは、「せふぁーる」と読む笑 というのも、私藤原が「シーイーエフアール」と会議で読み、恥ずかしかったから、君の同現象を予防するよう、伝えておく。

 2021年、難関私大入試は大きな転換点を迎え、上智、立教、青学が大幅な変更をしてくる。そのポイントに、英語の「外部試験利用」入試というものがある。ここではその説明と対策を語る。

(大学受験っぽい写真を入れる予定)

目次
1、大学ごとの外部試験の重要性
2、外部試験戦略「外部試験をどう受けていくか?」
3、外部試験戦略 高2編
4、外部試験戦略 高3、既卒生編(2021年入試編)
5、それぞれの外部試験の違い(別ページ)
6、結論

1、大学ごと(早慶上智GMARCH)の外部試験の重要性

先にざっくりとまとめれば、こうなる。上から重要度が高い大学順である。

上智受験 ⇒すべての学部で外部試験が超重要
立教受験 ⇒すべての学部で外部試験がかなり重要

早稲田受験⇒国際教養(超重要)、文(かなり重要)、文化構想(かなり重要)、商志望(少し重要)、他の学部は不要
青学受験 ⇒国際政経と総合文化政策志望であれば重要(受験方式の一部が受験資格として必要)、他学部は不要
学習院受験⇒国際社会ならかなり重要
明治受験 ⇒経営なら重要、他は不要
法政受験 ⇒実はおよそ不要。GISは超重要だが、条件は英検1級

中央受験 ⇒文-英語なら少し重要、他は不要
慶応受験 ⇒不要、というよりシステムとして存在しない

 つまり、上智と立教志望なら「外部試験利用なくして合格なし」と言えるくらい超重要である。早稲田、青学、法政、学習院、明治は、書いてある一部の学部にのみ重要もしくはあった方がよい程度。中央と慶応は不要。なぜそう言えるのかは、各大学別ページを見てほしい。

 以上が、大学別の外部試験の重要性である。2021年は、上智と立教が「大学入試共通テスト」と「英語外部試験利用」に大きく舵を切ってきた。外部試験利用という点では、他の大学は前年同様であり、青学はむしろ外部利用を縮小している。

まとめ 君の志望が上智、立教なら、外部利用試験対策&受験が確定である。君の志望が、他の早稲田、学習院、明治、法政 なら、上記学部が志望学部であるかによる。上記学部が志望学部であれば、細かな情報を集めて外部試験利用を検討すべき、となる。

2、外部試験戦略「外部試験をどう受けていくか?」

 受験までどのくらい時間があるのか、によって変わる。つまり、今年受験の2021年入試なのか、今高2の2022年入試なのか、それとも高1なのかである。ただ、ざっくり言えば、「自分に向くテストを見つけて、その対策を続けながら受けまくる!」が正解である。以下、2020.4時点での学年別にまとめていく。

 外部試験利用は、何回受けてもよいシステムである。したがって、複数回受けるほうが有利であることは間違いない。試験の結果は、その日の調子や出題が合うかどうかにも左右されるものである。つまり毎回の試験は、その時の実力を正確に示すものではなく、ブレのあるものである(これは受験戦略においても超重要)。それぞれの試験の費用は安くないが、それを無視すれば、数を打っていく戦略が正解である。

 どの試験も、年3~4回の受験チャンスがある。別ページ「それぞれの外部試験の特徴と違い」で示したように、英検の中にも種類があり、それを併願していけば、さらに回数は増える。もちろん、ただ闇雲に何の対策もせず受けまくる、のであれば結果は出ないだろうが、「対策と準備を進めつつ」受けるならば、回数、機会は多い方がいいに決まっている。
 各学年ごとの戦略については、以下、該当するものを読んでほしい。

3、外部試験戦略「外部試験をどう受けていくか?」高2編

 今高2なら、以下の戦略を取るべきである。

  • 志望大学が決まっていないなら、TEAPと英検2級or準1級をまず受験してみる。
  • TEAPと英検が合わないと思うなら、他の試験(ケンブリッジ英検、GTEC、IELTS、TOEFL iBT)を受けてみるor過去問を買ってやってみる。
  • 自分に合う試験を見つけたら、その対策を進め、毎回受験して高得点を目指していく。どれが合うかはっきりとわからないうちは、二種類程度で進めてみてもよい。

 以上が合理的である。上智受験において、外部試験の中でTEAPの優位性は明らかなので、上智受験の可能性がある段階では、TEAPの価値が高い。そして、あとは受け慣れている英検を中心に受けていくのがよいだろう。
 しかし、外部試験利用は、どの試験においても同様の基準点が設けられている。受験生の学力はひとそれぞれ向き不向きがあり、英検とTEAPが合わないと君が感じていて、他の可能性も探ってみたいのなら、自分に合うテストを発見していくのが良い。時間が十分にある高2であれば、とりあえず試しに受けてみる、というのが一番早いだろうが費用はかかる。安く済ませるなら、過去問購入となろうが、スピーキングなどは受験してみないとわからないところがたくさんあるだろうから、受けてみたほうが良い。
 そして、自分に合う試験が見つかったら、対策を進め、高得点を狙っていく。高2の段階でB1(↑に書いたCEFR基準)まで取れれば、大学入試の外部試験利用で不利になることはあまりないだろう。B2まで取れれば、かなり有利である。外部試験の結果は、過去2年間有効であるので(ものによっては過去3年)、高2段階で高得点が取ってしまって損をすることはない

まとめ 高2なら、まずは英検とTEAPを受けてみる。もしあわないようであれば、他の試験を検討してみる。そして自分がメインにする試験を決めたら、高2段階で高得点を狙っていく。とれると、志望校によっては受験が大きく有利になる。

4、外部試験戦略「外部試験をどう受けていくか?」受験生編(高3、既卒)

 今、高3なら、以下の戦略を取るべきである。ただし、以下は費用の面は気にしない戦略である。

① 志望大学に、以下の大学-学部が確実に含まれない場合、もしくは外部試験が嫌すぎて以下の大学-学部を確実に避ける場合、外部試験はおよそ受験に不要である。したがって、外部試験に振り回されない学習を進めていけばよい。もしくは、6,7月にためしにTEAP or英検だけ受けてみるのもよいだろう。そこでいい結果が出れば、また再考すればよい。

☆2021年度 英語外部試験利用大学-学部まとめ(SKJGMARCH)
上智大学の全学部
立教大学の全学部
早稲田  国際教養、文、文化構想、商
青山学院 国際政経、総合文化政策
学習院 国際社会
明治 経営
法政 GIS
中央 文-英語

② 志望大学に上智が入るなら、2020.6.7に行われるTEAPCBTを受けてみる。もちろん、過去問1回演習程度の学習はやるべきだが、まずは受けてみよう。そして同じく、2020.7.12に行われるTEAPも受けてみる。二つの試験には違いがあるから(↑2、それぞれの外部試験の特徴参照)、そのどちらが合うかを体感し、合う方を見定める。
3、受験大学が上智以外の↑なら、CEFRで最低B1、できればB2を目指していく。どの試験が自分に合うかを見定めるべきだが、まずは受けたことがあるなら英検から検討するのがよいだろう。英検の第一回は、4/28手続き締め切りで、5/31試験である。英検二級持っていない人は英検二級から。持っている人は準一級を受験しよう。CEFR B2にいくためには英検準一級が必要だが、B2であれば二級で高得点取れば到達する。そして、準一級の問題よりも、2級の問題で“簡単きっちり”取る方が得意な生徒もいる

③ 自分が使う外部試験を見定め、対策を進める。
 ↑の「2021年度 英語外部試験利用大学-学部」に自分の志望が入るならば、戦略、スタンスを決めなければならない。受験勉強の中に、外部試験の勉強をどのくらいいれるか、ということである。仮にあなたの取る戦略が、「小手先の対策でうまく条件満たせたらうれしい」というものであれば、それほど一般受験に影響しないであろう。しかし、「上智合格のために、B1取得を目指して対策をガチでする」という戦略なら、それは受験勉強に大きく影響する。何が正解なのか、それは君の学力状況と志望大学-学部、およびそこへのこだわり度合いによる。それはあまりに細分化が激しく、紙面で説明することは難しい(もし私に相談したいのであれば、「受験相談カウンセリング」を申し込んでほしい)。

④ 君に向く試験を見定めたら、その試験の対策を行い、次の試験を目指していく。4技能のうち、どこをどう伸ばす必要があるのかを見極めたうえで学習は進めたほうが良いから、準備不足でも、まず一度試験を受けてみるほうが良い。その結果からわかる伸びしろの対策を立て、次の試験を受けていこう。外部試験は、概ね年2~3回受けられる(英検は2回、TEAPはCBT含めれば6回)。闇雲にすべての受けられる試験を受けまくるよりは、2~3種類に定めて、対策を立てて受けていく方が合理的であろう。

5、どの外部試験を選ぶべきか

 ざっくり言えば、上智志望ならTEAPとTEAPCBTを中心に、上智受けないなら英検を中心に進めてみるのがよいだろう。そして日程が合えば、以下の説明で合いそうな試験を受けてためしてみよう。その上で、相性の良い試験の対策を進めていけばよい。

☆ 外部試験の種類とそれぞれの特徴(別ページへ)

6、結論

 外部試験利用入試は今までもあったが、2021年度から拡大される。↑の「2021年度 英語外部試験利用大学-学部まとめ(SKJGMARCH)」に入らない大学-学部のみを受験するなら、外部試験は不要である。入る大学を志望するなら、当サイトを含め、まず情報を集める。そして、君がメインで受けていく試験を見定め、対策を打ちつつ試験を継続して受けていこう。

難関私大文系予備校「増田塾」の元教務部長。 現在はオフィス藤原を運営しつつ、増田塾に現代文・小論文講師として出講している。