上智大学2021年度入試分析~データ編~

 上智の補欠合格についての分析と予測は、別ページにまとめたのでそちらを参照してほしい。
 

目次
① 上智2021入試の劇的な変更点
② 2021入試のデータ分析とわかること
③ オフィス藤原の難易度変化予測の結果
④ 上智2021入試の劇的な変更点

 
 

① 上智2021入試の劇的な変更点

上智大学は2021から入試選抜方式を大きく変えた。2020までの入試形態は

TEAP利用入試
  TEAP試験のスコアが出願条件で、国語と選択の2教科入試。

学部別個別入試
 一般的な私大と同じ、3教科の入試。


と一般的なものであったが、2021年度から、

TEAP利用入試
TEAPのスコアを点数化した上で国語と選択の2教科入試

学部別個別入試
共通テストの3科のスコアを点数化した上で、学部ごとの独自試験(総合問題)を実施
さらに外部試験のスコアにより英語に加点がある

 と変えてきた。この変化は青学と類似していて、青学と話し合ってこの路線に舵を切ったものと推測される。この変化による大きな違いは、

今までのTEAP利用は英語の力差が反映されないもので、ある意味国語選択の二教科入試だったが、2021からは外部試験のスコアで、英語の能力差も反映される形となった。
個別入試は、共通テスト後に出願できるようになった。独自試験はサンプル問題のみ、かつ総合問題化し、対策が立てづらくなった。
募集人数の大きな変更があり、TEAP利用が全体で前年比155%で634人になったのに対し、学部別個別入試は、前年比72%の982人になった。

 以上の変化によって起こった変化として第一に挙げられるのは、上智大学全体で、併願需要が減った、ということだ。昨年度までなら、早慶受験に行く生徒の多くが、併願として上智入試を選択していた。というのは、日程の違いによって、併願しやすく入試問題も大きく違うわけではなかったからだ。

 しかし、2021の上智新入試においては勝手が違う。TEAP利用はTEAPスコアが点数化されることによって、「高得点でないと合格は難しそう」という受験生の思いを引き出した。また、個別入試は、外部試験のスコアによる加点が始まり、外部試験を受験していなく加点が得られないor加点が低い生徒に敬遠された。同時に独自試験の総合問題化により、対策が難しく、他私大対策とは違うことをしなければならないのもあり、これも敬遠される要因になっただろう。逆に受験生が増えそうな要因では、共通テスト併用になったので、国立受験生の併願がしやすくなるというのが予想された。

 そして、ふたを開けてみたら、以下のようになった。
 

② 2021入試のデータ分析とわかること

 次年度の上智、青学受験を考えるなら、ここから何が読み取れるかがわかる必要がある。グラフやデータ読み取り型の総合問題が、上智と青学で出題される。

 一番驚いたのは、TEAP利用の募集人数が1.5倍以上に増えたのに志願者数が増えず、さらには上智が出した合格者や補欠者も、募集人数増に対して大分少ない割合でしか増えなかった。つまり、上智が想定したよりもずっと、志願者は集まらず、偏差値、倍率の低下が予想される。募集人数のとおり、上智が合格や補欠繰上を出すなら、TEAP利用はかなり易化するだろう。そして過去のデータでは、上智の補欠繰上の出し方は、募集人数に応じている。

 次に個別日程の方を見ると、30%近い募集人数の減少ほど、志願者数は減らなかったが、志願者数は25%減と激減した。上智は、TEAP利用と逆に個別日程は、募集人数減と比べて合格者と補欠者を多く出した。これが何を意味するか分からないが、あり得るシナリオは、

シナリオ1 
 募集人数に応じた合格者+補欠繰上合格とする。=募集人数に応じた繰上合格を出す。

シナリオ2 
 募集人数を軽く無視し、上智が出した合格者数+補欠者数に応じた繰上合格を出す。

 の二つのどちらかだろう。シナリオ1の場合、TEAP利用はかなりの繰上合格数、割合になるはずである。なぜなら、そもそもの合格者数を募集人数増に応じて出していないからだ。そして補欠者数もTEAP利用は絞られている。これで前年同様の補欠繰上合格を出すと、TEAP利用の補欠者は60%近く繰り上がるのに対し、個別日程は20%以下しか繰り上がらない計算になる。しかもこれは、辞退率が前年同様である場合の計算である。他大学の易化により、辞退率は上昇すると自分は考えている。もしそうなれば、上記の補欠繰上%に、辞退率の上昇分が掛け算されることになる。そうなると、上智の教務部は大混乱だろう。

 TEAP日程表の、「TEAP日程合格者数」を「TEAP日程募集数」で割ると、2020が1.85であるのに対し、2021は1.43と23%低下した。ということは、前年と同様の辞退率(他大合格による)であれば、昨年度より23%分繰上合格が増えるはずである。逆に個別日程の方で同じ計算をすると、2020が2.17であるのに対し、2021は2.43と12%増加している。こちらも同様に、前年と同様の辞退率であれば、補欠繰上合格は12%分減少するはずである。これが最有力なシナリオ1である。

 話を戻すと、TEAP利用は大幅に倍率が下がるはずで、計算上の理論値だと、2020の5.2倍に対し、2021は3.2倍になるだろう。逆に個別日程の方は、軽く倍率が上がり、2020の4.7に対し、2021は4.9倍になるだろう。ただ、補欠繰上合格の出し方がシナリオ1出ない場合は、この計算より、前年倍率に近い形になる。しかし、方向性は変わらない。

 つまり、上智全体としては、2021入試においてTEAP利用は激しく易化し、個別日程は少し難化したと言える。試験問題への適応の難しさを無視すれば、2021入試においては、個別よりもTEAP利用の方が合格しやすかったことになる。そして、次年度募集において、募集人数や試験システムを変更しなければ、この傾向は変わらないだろう。もっとTEAP受験者数が増える=他大学受験にもTEAPが必要になることが起こらない限りは。

 さらに学部学科ごとに見ると、以下のことが読み取れる。まずは表を見て、次年度受験生は何が読み取れるか考えてほしい。

募集人数が増えれば合格者が増え倍率が下がる。志願者数が増えれば倍率があがる。以上から考えると、募集人数が増えても、その分志願者数が増えれば同じことである。そして、私大全体において募集人数の変更は、およそそのようになる。つまり、募集人数の増減が、難易度や倍率にあまり影響しないのだ。

しかし、上智2021のTEAPは、前述のように話は別である。そして、その募集人数増に対して志願者がどのくらい増えたのかを学部別に計算するとこうなる。計算上、前年比で倍率がこうなる、という計算である。

以上のように、法と外語は両方で易化している。理工はTEAPは激しく易化したが、個別は前年同様である。なぜそうなったのか、は以下の二点が推測される。

併願需要の低下
TEAPスコア化との親和性のなさ

1は、もともと他大学と併願需要が高く、辞退率が高かった外語と法は、2021の新受験方式によって、敬遠されたことを示す。2は、理工学部受験生が、TEAPのスコア化によって合格の可能性を低く見積もり、敬遠したことを示す。

以上の二つの原因によって、外語と法とTEAP理工の易化が起こった。

3. オフィス藤原が併願に推奨した学科は、以下のとおりである。

 見てもらえればわかるように、上智における弊社推奨も、文の哲学以外は易化した。◎になっているのは、激しく易化したところである。もうここまで読んでもらえればわかるだろうが、過去のデータと今年度の動向を精緻に分析すれば、どこが易化し、どこが難化するかはかなりわかる。

もちろん、学びたい学問の学科を受けてもらえればいいのだが、志望の高くない併願の大学やすべり止めになると、学科の違いよりも受かりやすさを優先する生徒は多いし、かつ合理的な考えである。自分は、行きたい学科があるのならたとえ難化が予想されても勝負するべきと指導するが、併願やすべり止めなら、受かりやすさを優先したいという要望に、以上のような形で応じている。学習院や立教の分析でも見せたが、およそ90%以上は予測通りになり、受かりやすい学科は見抜ける。

④ まとめ

上智が2021に始めた新入試システムにより起こった変化は以下のとおりである。

① TEAP利用日程の易化が起こった。特に、併願需要の高かった外語と法、そして理工が激しく易化した。

② 個別日程は、募集人数28%減の影響で、軽く難化した。

 

 以上です。補欠の繰上り予測は別ページのこちらにあります。2022年受験生用のアドバイスは、後日作成し、掲載します。参考になったら、Twitterでハートかリツイートしてもらえると励みになります。

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    難関大 私立文系 予備校「増田塾」の元教務部長。 現在は、現代文・小論文講師として出講している。

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