慶応大学2021年度入試分析 ~補欠合格の入学許可者数予測 4/2最終更新~ 

 補欠の繰上りの更新が終わったので、結果を分析する。まずは数字を見てみよう。

 2021は、SFCの2学部が募集人数を20%弱減らした。合格者数はそのSFC2学部が32%と16%増やしていて、募集減なのに合格を増やす=辞退率が上がる根拠があったのだろう。事実、総合政策も環境情報も繰上が出たので、大学の想定はあっていたことになる。

 補欠数は、理工と環境情報が大幅に増やしたが、他は前年同様だった。志願者が減って、国立など他大の易化が起こっていた前年においても、慶応の辞退率はそれほど上昇しなかったので、2021も補欠者を多く出す必要はないように思えた。

 しかし、2021年は、前例のない辞退率の上昇が起こり、前年比の補欠繰上が慶応全体で177%、文系学部に絞ると210%にもなった。文学部と経済学部は、補欠者すべてが繰り上がる事態になり、前例がない出来事だった。文系全体での、補欠者の繰上率は76.2%であり、これも前例になく、他大でもあまりみない繰上率である。

 学部ごとに見ると、文と経済は全員繰り上がり、入学者が定員割れを起こしていると予想される。もちろんその分は、他学部と調整されているのかもしれないが。法学部は、政治学科の辞退率があがり、法律学科よりも多い繰上数になった。商学部は、どちらも均等に、前年比250%程度繰り上がった。

 総合政策は、合格者数をかなり多くとったので、繰上りは出ないかと思われたが、あまりの繰上ドミノに押されたのか、前年比40%程度の繰上りになった。環境情報は他学部同様であった。

 理工学部が意外だった。上智の記事を見てもらえればわかるが、上智の理工学部は計算や想定を超えて繰上りが出た。ということで、慶応も辞退率が上がっていることが予想されたが、例年以上に厳しく、繰上は0だった。「合格数+繰上数」の前年比は、91%なので、辞退率が下がっていることになるが、そうなる原因が想像できない。

 他、医学部と薬学部はおよそ前年同様であり、看護はかなり辞退率が高く、85%以上の繰上率だった。これも、国立などの易化が影響しているだろう。

 以上、2021慶応入試補欠繰上からの分析を終わる。以下は、前の記事なので、時間がある方は読んでもらいたい。
  
  

 

 3/17に第二回の発表があったので、更新する。

 3/17に繰上が発表になった。まず繰上数をまとめる。驚きの結果である。

  • 文学部⇒補欠全員繰上合格
  • 経済A⇒補欠全員繰上合格
  • 経済B⇒補欠全員繰上合格
  • 法法律⇒Cランクまで=57%繰上合格
  • 法政治⇒Dランクまで=82%繰上合格
  • 商A⇒Gランクまで=62%繰上合格
  • 商B⇒Cランクまで=25%繰上合格
  • 医⇒32人繰上合格=28%
  • 理工⇒繰上0で終了
  • 総合政策⇒ランクAまで=14%繰上合格
  • 環境情報⇒ランクFまで=37%繰上合格(前回と変わらず)
  • 看護医療⇒27名繰上合格=52%
  • 薬薬⇒8名繰上合格=9%
  • 薬薬科⇒9名繰上合格=12%

 驚きの繰上数、繰上率である。過去において例のないものである。

 続けて、エクセルを更新した。

 過去に例のない驚きの結果である。文と経済が全員繰り上がった。合格+繰上数は、前年比120%以上になるはずだったのだろう。文と経済は、補欠数が足りず、定員割れの事態となったのだろう。

 商と法は過去3年だと、3/20以降に繰上を出していないが、こうなってくるともうわからない。

 理工学部も謎で、この状況で昨年通りの辞退率でも38%繰り上がるはずだったが、0でこのタイミングで打ち切り、になるのも謎である。

 残った医薬看護は、過去3年のデータを見ると、国立発表後の3月末に繰上は集中している。現段階で過去3年と比較すれば、およそその上限値で推移しているので期待できる。このまま終わることはないだろう。過去3年の日付ごと繰上で見れば、医学部は現時点の半数程度、薬科は4倍以上繰り上がっている。看護と薬は、過去この時点では繰り上がっていないので、割合は出せないが、どちらにしろ期待はできる。以上、↓は過去の分析の記録である。
  
  

 3/8.9に慶応が第一段階の補欠を発表したので更新する。

 今回の繰上発表でわかったことは、

  • 慶応合格者の辞退率は、想定していたおよそ最大値であり、繰上合格も予測のMAXかそれ以上になりそうである。文と商は現時点で、すでに過去3年における辞退率の最大値を、5%程度上回っている。他学部や他大学も同様になることが予想される
  • 慶応がこの状況ということは、早稲田や上智も同様になるはずである。したがって、今後発表の早稲田、上智も、予測のMAXorそれ以上 になりそうである
  • 他のGMARCH以下は、さらにこの状況が加速するはずで、各大学がどこまでこの状況を予測して合格者や補欠者を出しているかによるが、昨年度以上の繰上が期待できる
  • 繰上による辞退ドミノが起こるはずで、3月末まで上智や学習院は、繰上を調整し続ける可能性が高まった。

 以上である。慶応の分析に入る。
  

 3/8,9で繰上が出たのは、

  •  文学部 Eランクまで
  •  経済学部A Fランクまで
  •  経済学部B Dランクまで
  •  法学部 まだ繰上なし
  •  商学部A Dランクまで
  •  商学部B Bランクまで
  •  総合政策学部 まだ繰上なし
  •  環境情報学部 Fランクまで
  •  医、理工、看護、薬学部 まだ繰上なし 

 以上であった。これは前記、過去データからの推測の上限か、それ以上の繰上である。各学部ごとに見ていく。

 文学部はmaxでEランクまでと推測していたが、すでにEランクである。ただ、補欠のランク分けが均等でなく前半のランクの人数を少なくしていた。したがって繰上数はまだmax値までに余裕がある。そしてさらなる繰上は期待できる。昨年度は、3/6にランクA、3/18にランクBと2回目が繰り上がっている。

 経済Aも、MAXでGランクまでと予測していたが、すでにFランクまで繰り上がった。商2020のように、繰上対象者の辞退率が高ければさらなる繰上があると思われるが、過去3年、経済Bも含めて繰上発表は1回だった。

 経済Bも、MAXDランクまでの繰上予測だったが、Dまで繰り上がった。

 法は、繰上0だが、過去3年で繰上が出る時は、3/18近辺なので次のタイミングだろう。この他学部の状況を考えると、下記予測のMAXかその一つ前のランクまで、というのが本線になる。

 商Aは、MAXでBランクまでの計算だったが、予測を超えて、Dランクまで繰り上がった。今年度慶応の辞退率が、文系全学部で高いことは間違いない。2021の商A合格者数は、およそ前年の合格+繰上数であり、今回の繰上数122は、前年の辞退率63.6%からさらにあがったことを示している。これは驚きである。そして、昨年度は17日に二回目の繰上を行った。前例がないくらい繰り上がったので、今年度ももう一回の繰上がある可能性は低くないだろう。

 商Bは、MAXでBランクまでの計算だったが、Bランクまで繰り上がった。状況は商Aと同じだが、過去3年の繰上データを見ると、常にBの方が繰上率が低い。

 理工は、繰上を発表するのが例年3/12以降なので、まだ発表されていないことは当然である。文系学部がこの状況なので、それが理系にそのまま当てはまるかわからないが、繰上率30%以上が本線になるだろう。

 総合政策は、↓記事に書いたように、計算上は繰上が出ないはずであった。したがって今回の繰上なしは計算上妥当だが、今回環境情報が想定を超えてたくさん出したので、今後出る可能性はある。この他学部の繰上状況を先読みして合格を多く出したのなら、予測能力が高すぎる。

 環境情報は、MAXでEまでと計算したが、Fまで繰り上がった。過去3年の繰上り方では、この後も順次追加されているので、さらに追加される可能性は高い。

 看護、医、薬は、過去3年国立の発表後に繰り上がるので、現段階での繰上なしは妥当である。

 以上が、3/8,9の繰上発表からわかることである。エクセルも載せておく。

  以下は、1週間前に書いた分析である。また追加で繰上が発表になったら、更新する。
 
 

 早稲田、上智、立教と同様に、過去データをベースに慶応の繰上予測をする。

 まず、2020=前年度のデータをまとめてみた。

 黄色塗りの前年比は、前年が0だったところで、便宜上300%とした。下の合計計算には影響していない。

 辞退率とは、合格になったのに辞退した人=合格者数+繰上数-募集数 を、合格者数+繰上数で割ったものだ。つまり、募集数を超えて合格or繰上した人を辞退した人と考え、その合格+繰上者に対する割合を出したものだ。

 2020は、志願者数が慶応全体で8%減、文系学部の平均では9%減であった。国立前期志願者が前年比94%であり、早稲田一般も96%であったので、同様な現象だが割合が大きい。文系学部とその他では数字の傾向が大きく違う年があったので、別に出した。2020の合格者数は、前年比98%(文系95%)と微減であり、慶応が辞退率の低下を警戒したことを示す。文系学部はその合格者を減らした分には足りないが補欠を2%多く出した。結果、大学の予測通り辞退率は少し下がり、繰上率は31.5%(38.5%)であった。

 繰上は学部ごとに差が大きく、学部ごとの歴史で見るべきだろう。

 続けて、2019と2018を見てみよう。

 慶応は、2017か2018をピークに、少しずつの易化を続けている。志願者数≒倍率のピークは2017か2018である(SFCは後に述べる理由で後ろにずれる)。2018の補欠者繰上率は、25%程度だったが、2019年は29.2%、文系学部に絞れば39.6%の繰上率になった。文系学部では、経済Bと商B以外のすべてで繰上数=繰上率があがっている。

 以上の過去データをベースに、2021で現状わかっているデータを分析し、繰上がどこまで出る可能性があるかを予測した。

 2021の志願者数は、5%(文系は3%)減少した。しかし、合格、補欠者は増やしている。また、SFCの2学部は募集数を50人=18.2%減らしている。

 「予測繰上り数」は赤塗り列と緑塗り列でミニマムとマックスで考えた。過去3年(文だけ過去4年)で最大に、合格+繰上を出した年と最低の年で考えてみた。赤塗り列が、最低数の年の場合で、緑塗り列が最高数の年の場合である。

 補欠ランクは、それぞれ何人で区切られているのかわからないので、単純に割った。文学部なら276人を8ランクに割っているので、1ランク平均34.5人で考えた。赤塗りの低い方のランクがミニマムで、緑塗りの高い方のランクがマックスだと予測する。

 経済Aなどは、理論上繰上率100%を超えるが、過去3年のデータでは、全学部でみても100%の繰上を出したことはなく、80%程度が限界である。それは、経済Bと調整するのかもしれないし、内実はわからないが、100%は現実的でないと考えた。

 SFCの二学部、特に総合政策の方は謎で、募集人数を50人18.2%減らしているのに、合格者数を90人、32%増やしてきた。前年の合格+繰上数でも356なのに、それ以上の合格を出し、しかも募集人数を減らしているわけで、データ上は意味が分からない。自分の思考が及ばない、辞退率が急増する要因があるのだろうか。こうなると、過去にもあったので環境情報と数の調整をしてくる可能性もある。

 学部ごとに見ていく。
 

1,文学部

 過去3年のデータはとても安定している。その意味では、赤塗りの繰上(B~C)になるのが本線であるが、4年前になぜか辞退者が続出し、補欠が大きく繰り上がった年があった。なぜそうなったのかは分析できなく、確率も高くはないだろうが、あり得るという意味でMAXに足した。過去3年安定的なので、2021は補欠者数を20%程度減らしたのだろう。
 

2,経済学部A

 辞退率が高く、そして年によって大きく違う学部である。2020に志願者を14%程度減らしたが、今年も前年同様の志願者数である。ここは補欠で調整する気で合格者数を毎年一定で出しているので、よほどのことがない限りCは出るだろう。およそD以上G以下である。理論上は最大に出ると全員繰上になるが、なぜか慶応はそうしないので(カッコ悪いのだろうか)、前例に倣って最大Gまでになるだろう。
 

3,経済学部B

 辞退率は50%前後で毎年一定である。経済A同様、合格数は一定で補欠で補う方針だが、Aと違い、毎年の辞退率が安定的なので、最大でDまでになると思われる。ただ、もし経済Aが80%超える繰上率(=Gまで繰り上がる)になるようだと、こちらを増やすのかもしれない。
 

4,法

 原理はわからないが、なぜか毎年、政治より辞退率が高く、繰上を多く出す。同じ募集人数なのに、毎年合格も少し多い。そして今年も法律が17人=5%多いが、去年比104%で、政治は100%である。それでも法律の方が繰上は2倍程度出そうである。
 

5,商

 商Aは、89人=7%も合格を増やしたので、繰上は少なくなりそうである。商Bは毎年繰上がかなり少ない。
 

6,医

 この学部は、辞退者に応じてぴったり繰り上げるシステムのようである。
 

7,理工

 計算上の辞退率はとても高く、つねに70%を超える。ゆえに安定性に欠く。毎年、繰上はなぜか学門1が一番多く、次に学門2である。繰上の仕方からすると、学門ごとに、ランク分けされているのではないか。
 

8,総合政策

 前に書いたように、最大の謎である。計算上は入学生徒があふれるはずである。少しぐらいあふれても問題ないのか、他学部で調整するのか謎だが、これで補欠がたくさん出るようだと、辞退率が急に上がる理由がなにかあるのだろう。全く読めない。
 

9,環境情報

 この学部も、データ上謎が大きい。2020年は275人募集で、合格が200人、補欠102人で繰上り82人だった。素直にデータを見れば、282人中7人しか辞退していないことになるが、どういうことなのかわからない。もともと辞退率は一番低く、下がり続けているので、今年急騰するとは思えない。
 

 以上です。

難関大 私立文系 予備校「増田塾」の元教務部長。 現在は、現代文・小論文講師として出講している。

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