早稲田大学2021年度入試分析② ~補欠合格の入学許可者数予測 学部別編~ 

 早稲田の合格者数と補欠者数、補欠繰上数に関する予測をする。基本は早稲田HPにある過去のデータを分析し、今年度の補欠からの繰上数を予測する。この予測は2/28時点のものであり、今後、早稲田が2021のデータを出した場合、この予測は更新される。

この下は、「入試分析 ~補欠合格の入学許可者数予測~」の続きである。したがって下を読む前に、まずこちらをみてほしい。

そして、とても見づらい図をまず出す。過去3年の合格者数と補欠者数、繰上数をまとめたものである。いつも通り、自分用でみづらくてもうしわけないが、スピード優先で出す。

 まず、学部(学科)ごとの分析を進める上で、社会科学部を例に説明する。まず、社学の年度別の倍率や難易度の推移は、弊社が増田塾のHPで分析したので、こちらをみてほしい。時にこちらをちらちらみながら、読み進めてもらえると理解が増すと思われる。ちなみに2021年度のボーダー予測は、67.5(増田塾偏差値)である。

 難化のピークだった2018の合格者が802(前年比88.5%)、補欠が102(同52%)だったが、辞退率が早稲田予測より低く定員オーバーになり、繰上は0だった。あふれた分は、共通テスト利用など他で調整し、それでもどうにもならない場合は、他学部で調整したのだろう。

 すると、2019年度は、前年の辞退率を基準に、さらに辞退率が高まってもオーバーにならないように、合格者を減らす。だから、2019の合格は706と12%減にし、その分調整できるように補欠を102と15%増にする。それでも社学の難化は止まらず、さらに早稲田の想定を辞退率が上回り、2019年も繰上は0だった。

 そうなると2020年はさらに合格者を減らすかと考えるが、2019に他学部は辞退率が高まり、繰上合格者が増えていた。したがって前年同様の合格723と補欠122となった。どちらも3%程度の増加になったが、これは、同得点の受験生がいて、どこで切るか、という問題によるものだろう。だから、数%の増減は、大学側は前年同様にしようとしていると推測する。結果、傾向通り、そして早稲田の推測通り、2020の繰上は84となり、70%近い繰上率となった。この70%近い繰上率は、学部単位なら2018の創造理工(なにかの事故で100%繰上)と、2018&2020のスポ科でしかみられない。2019のスポ科は、合格者を前年繰上分増やし、繰上0だったことを考えると、同路線が、2021社学予測の本線になってしまう。

 そして、以上の経緯で2021の合格者、補欠者を大学側がどうするかと考える。表の他学部をみればわかるように、補欠合格が足りなくなりそうになると、次年度の合格と補欠を増やして対応している。ただ、合格を増やしたのに予測に反して辞退率が下がり、入学者があふれる事態は避けたい。したがって、今年度の社学は、合格者は前年比+10~20%程度、補欠も前年同様~+40%程度出すのではないか。早稲田の歴史で、早稲田スポ科2018以外、合格+補欠者数を急増させた過去はない。だから、「合格+補欠者数」は急増させないとも読めるし、逆に早稲田スポ科2018(前年2017の繰上率)と同じくらいの異常事態なので、その時同様に合格と補欠者それぞれ、140%ずつ出している可能性もある。
 

 もう一つ例を挙げる。人間科学部(学部全体)でみる。前記の社学と違う点は、人間科学の方が併願需要が高く、辞退率がそもそも高いということである。したがって、他大や他学部の難易度変化の影響を受けやすい。つまり、辞退率の上下が激しい学部である。

 難化のピークだった2018は、合格608、補欠297(合計905)で、繰上が学部全体で12(健康福祉12のみ)と、入試が厳しかったので辞退率が低く、ほぼ繰り上がらなかった。その中でももっとも併願需要が高い健康福祉が少しだけ繰り上がった点は記しておく。

 それを受けて、2019は、合格513と15.6%減らした。定員をあふれてしまうことを避けようとしたのであろう。その分補欠を397と多くとった。合格を減らした分、補欠を増やした形になる。しかし、2019から易化が始まったので辞退率が高まり、補欠繰上合格は46%となった。前年比「合格+繰上数」も+695で+12%となった。「合格+補欠数」は前年同様であった。

 もうお分かりだろうか。そうなると、2020年は、合格者を増やし、648と前年比126%にした。2018よりも大きい数字にしたので、早稲田教務部の賢さがうかがえる。その分補欠は減らしているので、「合格+補欠」人数は一定にしようという早稲田の方針なのだろう。普通に考えれば、辞退率の急増が怖ければ補欠数を増やして対処するものなのだろうが、そのあたりは、受験生への配慮(できるだけ補欠でなく合格を出したい)と大学のプライドを感じる。そして、繰上は減り、繰上率は23.6%と前年比-22.3%であり、大学の予測通りになったと言える。合格+繰上数は、前年同様である。

 繰上率でまとめると、2018から4.0%⇒46%⇒23.6%と推移している。先に例示した社会科学は、0%⇒0%⇒68.9%と推移したのより一年早く繰上のピークが来ている。そして、人科は、繰上率が急増した2019への対応ですら、大きく数を増やすことはしなかった(2020の合格者+補欠数)。以上から考えると、2021の人間科学合格者数は、前年同様~+13%程度となり、補欠者は逆に前年同様~-10%程度となるのだろう。合格が増えた分を踏まえれば、2021の辞退率は、前年同様から+10%程度と予想され、補欠の繰上率も前年同様から+10%と予測される。しかし、この予測の途中段階に、「こうなれば」「こうなるとすると」が多く、あまり高い精度の予測ではないかもしれない。

 一つ言えるのは、上智と違い、合格や補欠の出し方が、きわめて合理的で論理的である、ということである。上智は入試改革初年度なので仕方がない面もあるのかもしれないが、早稲田の合格や補欠の出し方には合理性がある。ただ、以下に記すが、それは学部ごとに違うのかもしれない。

 以上の考え方をベースに、各学部の合格者数、補欠者数、そこからの繰上率予測をしようと思ったが、過去の数字分析上タイトな予測になる学部もあり、しかしその予測は、前提に「こうなれば」「こうなるとすると」がついてしまう。もっとも情報として求められるだろう学部学科別繰上率が特にそうであり、合格者数と補欠者数の数字の上に成り立つ。かつその予測が補欠合格を待つ人々に混乱を与えるかもしれない、と考えるとメリットがデメリットを上回る。というわけで、学部学科ごとの、2021合格者数と補欠者数の増減予測のみとしておく。

 まず、全体としての2021予測は、合格者増(前年比+5%程度)、補欠者前年同様から微増が予想される。補欠者の繰上率も、前年同様からさらなる増加が予想されるが、前年の数字が高いことと、早稲田大学にとって、前年よりは今年の状況が予測しやすかったことの二点が、繰上率が下がる要因である。

 早稲田全学部の繰上率(学部内人数を無視した単純平均)の歴史を見ると、2017から、3.3%⇒19.3%⇒21%⇒31.6%と増加傾向である。ここからすると、今年度の繰上率は前年同様から40%程度まで期待できる。さらに言えば、理系学部は統計的計算と予測が得意なのだろう、あまり補欠繰上を出さずに0%であることが多い。それを除外して文系学部のみにすると、2020の繰上率は51.2%にもなる。2020の他大学の易化が、いかに早稲田にとって予想外だったことかを示す。

 そして、2021の他大の状況は、前に述べた通り、国立大学前期日程志願者数が3%減(2020は6%減)、慶応も4.6%減(2020は8%減)である。ここから考えれば、前年よりは落ち着くだろうが、前年基準よりは易化、辞退率の上昇が進むと考えられる。あとは、このことを早稲田がどこまで織り込んで合格と補欠を出したのかによる。したがって、結論は冒頭の予測になる。前述のように、学部学科ごとの予測は避け、ここまでとしておく。大学側が各学部学科の合格補欠数の数字を発表したら、また更新する(2021.3.1)。

難関私大文系予備校「増田塾」の元教務部長。 現在はオフィス藤原を運営しつつ、増田塾に現代文・小論文講師として出講している。

2件のコメント

  1. 社学は今年は繰り上げ合格は、他学部の今までを参考にすると、少ないか0になるという予想になりますでしょうか?

    1. 早稲田がどのくらいの合格と補欠を出したのか、というデータが発表されないので、推測の上でのさらなる予測になりますが、
      記事に書いたように、前年の合格723、補欠122、繰上84、繰上率68.9%に対して、どれほど合格と補欠を増やしていたのか、によります。エクセルにあるように、2017年では900人以上の合格を出していたので、どうなるのかはわかりません。現時点でHPにデータは公表されていません。以上の情報での予測ですが、辞退率はあがるでしょうから、最低でも繰上率34%(前年の半分)程度は起こるのではないか、と思います。大学側も入学者があふれるのは怖いはずなので、合格を一気に増やすとは思えません。したがって、早稲田次第ではありますが、前年の半分から前年同様までになると思っています。

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